フジテレビのドラマ「ナオミとカナコ」。
夫からのDV(家庭内暴力)に苦しんでいたナオミが、カナコと共犯で計画的に夫を殺してしまうサスペンスドラマである。
先週の3月4日で8回目の放送。
夫は既に殺され、勤務先や家族には、上海に失踪したと見せかけられている。
しかし、それを疑う夫の姉(ヨウコ)が、弟の行方を探しているところである。

このドラマは、フィクションで、原作は奥田英朗。
架空の話とはいえ、このような立場の人々の心理を、よく描いていて、いろいろな調査・知識の蓄積を元に書かれたのだろうと思う。
ドラマの始めの頃、ナオミは夫からの暴力にさらされているのだが、似たような体験をした元クライアントさんの話では、セリフがすごくて、身につまされたそうである。
DVのようなことをする人は、どうして同じようなことを言うのだろう?と言っていた。

ーーーーーそれは脳の構造が似ているからでは考えられる。

一般的な、DVでは、加害者の特徴は次のよう。
・行為は繰り返される。
・家庭に中で、世間からわからないように行われ、隠したがる。外面的には、していないようにふるまう。(否認)

繰り返されるうちに、症状の域になってくる。
つまり、自分でのコントロールがより困難となり、止められなくなる。
依存症に似て、一旦、スイッチが入ると、衝動が制御できない点は共通している。

この症状の部分は、後天的な病気だが、元々の気質も、多かれ少なかれ影響していて、誰でもなれる病気ではない。
ただし、以下は配偶者、恋愛関係でのDVの場合。
(たとえば、母親の子どもへの虐待はメカニズムが少し異なる。)

元々の気質というのは、
・加害者は、他者の気持ちを把握したり、共感したりする能力が乏しい、もしくはない。相手の動作や言語など認識したり、理解できる部分もあるが、どちらかといえば機械的な理解で、他者の気持ちの内面を推察するような複雑な理解は難しい。
・元々、自己の非を認めること、内省が極端にできない。
・その分、他者のせいにしたり、他者を罰したり、非難する、攻撃する行動に向きがち。
・否定的な感情を自分だけで処理しきれないので、相手から見ると非常にしつこい。だから、ストーカーのようにはまると、非常に執拗になる。
・自分の欲望に忠実。性的、金銭的、権力、名声、高評価などへの欲望。ただ、他者の気持ちがわからない分、乱暴やウソ、反社会的な手段でも躊躇しないで、実行してしまうことがある。
・小さい頃から、そういう特性の芽を抱えていて、徐々に育ってくるので、自分の否定的な部分を隠すことも非常にたくみなこともある。ただ、たくみでないタイプもいる。

((重要:「元々の気質」の特性は、「逆」は成り立たない。つまり、「元々の気質」のいくつかに当てはまっても、全DVの傾向がある人はごく一部です。それ以外の人は、DV[というほどではないが、妻のような親密な関係の人と、うまく付き合うのが難しいということはあります。))

あと、次のような特性を抱えるケースもあって、ドラマの主人公も、多かれ少なかれ、こういう傾向があるのではと思った。
・上下関係、力関係、損得にこだわる。自分が不利な立場にならないかに敏感。
・内弁慶。(自宅では王様、支配者みたいな、外では見せない顔が露見する)
・精神的な余裕が少ない。
・(対人・社会面での)適応範囲が狭い。中には独自のこだわりを持つ人もいる。ただ、家庭では自分が王様なので、相手に従うように要求する。

このドラマの夫は、エリート銀行員。
外面が良くて、他者の気持ちへの理解が足りない分、他の人なら遠慮や躊躇するようなことでも、それなしにズバズバ切りだせるので、案外、営業などの成績がいい場合もある。
お金、出世などの欲望には忠実だし、数字で表せるもの、計算機などの機械を扱うことは、人の気持ちと違って、わかりやすいので、銀行員のような職業で、案外「仕事ができる人」と思われている人もいるかもしれない。

でもって、女性は、始めのうちは、こういう面を仕事ができる、強引で一方的なところを男らしいなどと魅力的に思ってしまう。
そして、肩書き、学歴、年収などがいい、おまけにドラマの夫のように顔もスタイルもいいとなると、結婚相手にいいなと思ってしまうのは無理もない。
それに恋愛は誰でもそうだが、付き合うまではお互いのいいところしか見せないというのは、よくある話。
加害のタイプは欲望に忠実なので、男性から熱心にアプローチしてくる場合もあるが、そこを女性が愛の熱烈さと勘違いしてしまうと危ない。

よくあるパターンでは結婚のような深い仲になる前に、たまに「あれ、この人、細かいな」とか気になる点があっても、恋愛中は「私が、大雑把なのがいけないんだね。」「結婚したら、徐々にうまくいくよね」とか、いい方にとらえてしまったりするのだが、暴力が始まった後になって、「そういえば、こんな変なところもあった」「なぜあの時に別れなかった?」と後悔のエピソードに変わる。

何事も、まず自分の命あってこそである。
変な異性にからまれたら、なるべく早い段階で別れることと、自分だけで対処しないで、いろいろな人に相談すべきである。ただ、相談相手探しが、難しいというのも、あり得る話ではある。

長くなりそうなので、またそのうち、続編を書きます。




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