関東で観音様がご本尊となっている33の古いお寺を巡礼する坂東三十三観音、10月3日に埼玉県の吉見観音と、岩殿観音へ行ってきました。坂東三十三観音は、今から1200年以上前の奈良から平安時代に建てられたお寺で、(公式サイトによると)巡礼として三十三のお寺が決まったのは、鎌倉時代の初期だそうです。

この日は、まず吉見観音(岩殿山 安楽寺)を目指して、東武東上線で、東松山駅で降りました。鴻巣免許センター行きのバスで、久保田で降り、そこから、延々、歩きました。
20221003bando01付近は、広い田んぼと、ところどころに沼があって、昔から稲作が行われていたのだろうな想像させる場所でした。
ときどき、ガイドブックとスマホで地図を見て、位置を確認しながら、川沿いの道を歩いていきました。
歩きつつ、昔の人は、どうやって、お寺の場所がわかったのだろうと思いました。正確な地図があるわけでもなく、口伝えで、ルートを聞いたのでしょうか?鎌倉時代は、文字を読み書きできる人は、ごく少なく、行き方を文書で書いたものを頼りに行ける人は限られていたのではとも思います。
20221003bando02それと、今の時代は、公共交通も宿泊施設もあるので、それほど困らないのですが、昔の人は、歩いて旅したでしょうから、どうしたのだろうと思いました。坂東三十三観音は、そう簡単には行けない場所にある寺が多いのです。
前回まで9のお寺にお参りしましたが、これからは、公共交通で行くには不便なお寺が出てきます。現代は、飲み水も食料も、心配しなくて済むのですが、鎌倉時代の人は、どうやって旅したのでしょうか。そんなことを考えつつ、田舎道を歩きました。
20221003bando03
お寺が近づくと、道端にところどろ石像や石碑が立っています。





20221003bando04
ガイドブックには、久保田のバス停から40分と書いてあったのですが、30分ほどで着きました。



20221003bando05

奥に、観音像が見えました。参拝。
そして、納経しました。



20221003bando06

木造の三重塔。
江戸時代に建てられたものだそうです。



20221003bando07帰りは、また延々と歩きました。
何か発砲音が聞こえるなと思ったら、百穴射撃場だそうです。
そして、吉見百穴の中には入らず、外から眺めました。
Wikipediaによると、古墳時代の遺跡だそうです。
若い頃、東武東上線の広告の仕事をちょっとしたことがあって、そのときに、沿線マップのイラストを描きました。そのとき、吉見百穴の絵も描いた記憶があります。そこで、実物を見ようと、寄って見たわけです。
20221003bando08吉見百穴のそばの岩室観音堂。
ここは、中に入りました。
古い木造建築と、石仏です。

バスの本数が少なく、このあと、東松山駅まで、さらに歩いたので、この頃は、既に歩き疲れています。(ノД`)・゜・。
でも、この日のうちに、正法寺に行こうと、東上線で、隣の高坂駅に行きました。そこからバスです。
20221003bando09
そして、岩殿観音、正法寺に着きました。718年にできたお寺です。
近くに、埼玉県こども動物自然公園などがあるのですが、そういうものがなかった古代は、田舎だったろうと思う場所です。
今年は、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をやっていて、13人お一人、比企家ゆかりの地なのだそうです。
20221003bando10←仁王門
納経をしたときに、ここのご住職さんが、いろいろお話ししてくれました。
そのとき、前述の昔の人は、どうやって巡礼をしたのだろうという話題になりました。
ご住職さんは、かつて京都で、僧侶の修行をしたそうなのですが、そのとき、東海道を歩いていったことがあり、東海道なら街で泊るところを見つけられるのが、坂東の巡礼では、そうはいかないなどと話していました。
このお寺には、車で来る人が多いそうで、公共交通で来たと言ったら、へぇという反応でした。
観音堂では、金ぴかの観音様が見えました。ご住職によると、せっかく来られる方が、観音像を見られないのではと思い、お姿を解放しているのだそうです。他のお寺だと、ご本尊が見えないところもあります。
納経代500円のために、1000円札を出したのですが、ご住職は、なかなかお釣りというそぶりにならず、話がなかなか終わらない。でも、今日は、ここに来るまでに難儀なこともあったので、お話できてよかったと思いました。
知らない人とお話しできるのも、旅っぽい。
この日、歩いたのは、合計で約2万3千歩。歩いた方が、巡礼っぽいかなと、巡礼の意義を考えつつ行わないと、ただの御朱印集めになってしまうので、試行錯誤をしつつです。



2022年09月12日岩殿寺、星谷寺、弘明寺(坂東三十三観音6、神奈川県)




にほんブログ村

にほんブログ村 歴史ブログ 地方・郷土史へ
にほんブログ村